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波蘭通信 第4回

作成者 admin 最終変更日時 2010年03月31日 12時42分

ポーランドの食べ物について(その1)

 

ポーランドについての情報が少ない日本では、ポーランドの食といってもなかなかイメージしにくいと思います。


  ポーランドは農業国であるとともに酪農国で、特に豚肉は非常においしい。日本での豚肉のイメージはどちらかというとややぱさついていて、そのためトンカツなどの油処理を結構しますが、ポーランドの豚肉はトントロに近いですね。鶏肉もなかなか歯ごたえがあってよろしい。ただ、残念ながら牛肉はちょっと。もちろん金を出せばそれなりのものは手に入るとは思いますが。考えてみれば、ヨーロッパってそもそも豚が中心で、牛を食べだしたのはそんなに古いことではないように思いますし、今でも牛肉はなんといってもイギリスが本場ですね。西洋料理としてビーフステーキをイメージしがちなのは、やはり日本がアメリカの影響を強く受けているということでしょうし、アメリカのステーキ文化はイギリス由来だと考えられます。


  で、料理ですが、煮込み系が多いですね。まず、スープがいろいろあり、特に、大麦を発酵させたベースに刻んだソーセージとかゆで卵なんかを合わせたジューレックというスープは、ほのかな酸味が味噌汁のような味わいがあって、来波した日本人に食べさせると大受けします。スープ以外では、例えばピエロギという、肉厚な餃子のようなものがあります。ロシア料理にペリメニというやはり餃子様のものがありますが、どちらも東方起源のようです。

  でも、実は国民食はソーセージなんです。ソーセージと言うとドイツを思い浮かべますが、ポーランド人に言わせるとポーランドのほうがうまいんだとか。でも、この間、イギリス人も同じようなことを言っていましたので、日本の地方地方においしい味噌があるように、ヨーロッパ各国でも自慢のソーセージがあるということなんでしょう。

  それはともかく、ポーランド料理は素朴ですが、素材の良さに加え味付けにもセンスがあってなかなかのものです。


  野菜果物の類では、ひととおりのものがありますが、アメリカとの対比で言うと日本人にとってありがたいのは、白菜とかミカンがあることです。本当にありふれているんですが、白菜はともかくミカンはスペインとかギリシアからの輸入のようです。地付きの野菜では、特に秋から出回るのは基本的に保存性が良いものが多いですね。冬が長いせいでしょう。人参とかビーツとかセロリアック(大きなカブのような根菜でセロリのような風味がある)などですが、何と言っても右代表はジャガイモですね。とりわけ秋には大袋(本当に大きい!)一つが100円くらいで手に入ったりします。しかし、長い冬を経て春先の端境になると、店に並ぶジャガイモでもしわしわのものが多くなり、中には完全に芽を出している場合もまれではありません。面白いのは、このくらいの季節になると、輸入物が国内産と一緒に並ぶんですね。産地はモロッコとかエジプトとかキプロスとか、およそポーランドとは縁がなさそうな国ばかりです。でも季節が違うせいか、鮮度は極めて良いですね。そのかわり値段は3、4倍しますが。


  しかし、考えてみるとこのような色とりどりの食材って、社会主義の崩壊後じゃないかと思います。きっと昔は、冬の食卓って、肉類と保存野菜の、やや単調なものだったと思われます。だから余計に煮込み料理が発達したんでしょう。それだけに、春は本当に待ち遠しかったものと容易に察しがつきます。こちらの冬は厳しいんですが、それ以上に食生活上も厳しさがあったことでしょう。